なぐりがきパラダイス

あいするってなんだ

We are KinKi Kids 〜Tsuyoshi&You&Koichi〜円盤(後半)

前半書いてて思ったことは、この円盤という強力なコンテンツをよくぞ1ヶ月近くレポしないできたなってことなんだけど、それだけ20周年の7月はデビュー期を彷彿とさせる露出の連続で嬉しい悲鳴をあげていたので致し方なしだな、と冷静に自己肯定する後半へのプロローグ。そしていまさらだけど、本物の円盤の前半(Blue-ray1枚目)はこういちくんのソロまでが収録されていてこのブログの前後半とは差異がありますので悪しからず。

Youたちはそれぞれがあって きんき なんだよ! by.ジャニーさん

きましたっ、このコンサートの目玉ともいえるソロコーナー。お互いのソロをきんきコンでやることも、そのソロにコラボって参加すること*1も大きな衝撃でしたね。

先にソロコーナーを展開するのはこういちくん。ソロは衣装とか見た目だけだと”王道ジャニーズライン”っぽいんだけどその実、派生系というべきか。ラインっぽいというのは歌って踊って演出で魅せる、というカテゴリーにおいては”ジャニーズを見に来ました”って人が違和感なく見られるという感じ?実際には、洋楽&ダンス好きのこういちくんならではという曲調で、音楽を可視化する完璧な演出は完成されたパフォーマンスそのもの。曲調がまったく違うというのもあって、きんきではみられないこういちくんです。
あんなに踊ってて息切れしないの?ほんとに歌ってる?って思うの不思議じゃないと思うんだけど(実際非ヲタの友人と鑑賞会したら疑われた)ものすごいことをサラッとやってのけるのがこういちくんだよねぇ。しみじみ。
つよしくんのコラボは最後の曲にエレキギターで参加。「Hey、つよし!」と呼びかけるとせり上がってきたつよしくんが前に歩き出し、そのつよしくんに並んで、背中合わせでこういちくんがオチサビを歌い、また上下に分かれて大サビへ、という流れ。

いいね、感慨深いね。

一方のつよしくんはというと、その場・その瞬間で生まれている音楽を楽しんでいるという感じ。こういちくん同様、きんきでは見られない、、、っていうかこちらはジャニーズでは見られない、と言ったほうが正しいかな。それくらいまったく異なる空間を作り出しています。歌を歌うだけでなくセッションもあって、ミュージシャンのみなさんがめたくそカッコいい!!!音楽って素晴らしいな!音楽を楽しむっていいな!って素直に思えます。だってステージ上のミュージシャンがみなさん楽しそうなんだもん。途中建さんがチークダンスを踊ったりします。(え?建さんノリノリだし可愛いからしょうがない)
こういちくんとのコラボは、最初のバラードにてマイク一本で歌うつよしくんの後方にアコースティックギターで参加。こちらは絡みはなく堂本兄弟のソレのようでした。
「grooveしよう」という言葉は、計算しつくされたパフォーマンスで魅せるこういちくんとはある意味正反対なんだけど、会場の興奮度合いはこういちくんのソレと一緒だから不思議(両方のファンだからまぁ当たり前といわれればそうなんだけど)。アプローチは違うけど、一緒なんだよなぁ…

言葉にできない答えがそこにあります。

いいよね、感慨深いよね。

そもそも、それぞれのソロ楽曲をきんきのライブに持ち込むのは相当久しぶりだし*2、ジャニーさんからの提案にも最初は乗らなかったつよしくん。それでも”20周年だから”と押し切られるようにソロパートが設けられたんだよね。これについてはこういちくんも日経エンタの連載で、

「この機会を逃したら二度とできないと思ったし、お互いのソロに参加するという演出も絶対必要だと思った。それでもすんなり進んでわけではなくて静かなバトルがありました(笑)」


と話していてなかなか興味深かった。折に触れ2人の考え方は正反対なんだけど、だからこの2人組はとても面白い。予定調和が感じられなくてヒヤヒヤするのもわたし的楽しみの一つです。

2人ともソロにも本域でチャレンジしているから完全に同じ環境に出来るわけじゃなくて*3、きんきライブのなかでできる形を作ってきたわけだけど、改めて本当に世界観全然違いすぎてこの2人が2人きりのグループを形成していることが凄いなと。2人セットで始まって思春期を過ぎ、個性が出てきたあと、きんきとしてどう進んでいくか悩んだ時期が絶対あっただろうなぁと思うし、そこを越えてきんきを生きている2人を改めて尊敬した瞬間でもありました。2人にとってきんきもソロも彼らの一部だというのが凄いなぁと。この感想をファンに(もしかしたら2人にも?)持たせることがジャニーさんの思惑だとしたら、ジャニーさんのプロデュース力は素晴らしいね。

やばい、ソロコーナーだけでこんなに書きすすめてしまった。これでもだいぶはしょってるんだけど…?この円盤レポの終わりが今のところ見えない…(怖)

まだこんなにあるの!?と思わせるきんき再び

「薔薇と太陽」から再開されるきんきタイム。つよしくんのファンクソロ終わりからそのまま「薔薇と太陽」に入っていくので、つよしくんが若干ファンクを纏ってて動き一つとっても妖艶なのが印象的。しかし、ファンクタイムが終わってふわぁぁぁあってなってるところに「薔薇と太陽」のあの強烈なイントロはやばい*4。単体で聴いてもイントロのインパクト凄いのに、ファンクタイムからのアレはやばい。え!?もうけっこうお腹いっぱいなんだけど、まだ!?まだこんな展開あるの!?!?っていう感じですよ、本当に。
つよしくんより先にソロを終えて30分近く時間があくこういちくんは、ソロ終わりでシャワー浴びてヘアセットもバッチリ。ダンサーとともにせり上がってくるんだけど、キタァァァァ!帝王上がってきたァ!!!って感じ。しかし、幕間でシャワーて。帝劇か。正確には幕間じゃないし、幕下りてないし!と、つっこみたくなるのをぐっとこらえる。いいの、きんきはファンも本人たちもきっと自由!*5。なので、ホントなんでもあり。セットリストとかネタバレ回避して来場する人もいるけど、MCでバラすどころかパンフレットの時点でバラしてきたりしますからね?ネタバレしても十分感動させられるパフォーマンスをするのが仕事!というのがきんきの感覚だそうで。ネタバレ回避するの難しい昨今ありがたい感覚。きんき万歳!

「薔薇と太陽」のこういちくんのキレッキレっぷりヤバいし「Plugin Love」で舞台装置を行ったりきたり上下に分かれたり同じところで踊るさまは見ていて圧巻。贅沢だなぁ…って息を呑む。「Fall Dance」のつよしくんはもう直視できない(するけど)妖艶さ。からの、ファルセット~すき~!Aメロあたりでつよしくん振り遅れてると思うけど、まぁそれもライブならではってことでね。そういえば今回こういちくんのミスは少ない。さすが自分でがっつり演出してるだけある(笑)※ディスってないよ、ほめてるよ

怒涛のメドレーからデビュー曲で迎える本編ラスト

スワンソング*6」「Time」「やめないで、Pure」「雨のMelody」「Anniversary」「硝子の少年」と往年の名曲がまたズラリ。時間が経って聴いても決して色あせない、ほんとうに素敵な楽曲ばかりでつくづく楽曲に恵まれたグループだなぁとつくづく。
これまでのライブでも一度も欠かしたことがない「硝子の少年」は20周年を祝うコンサートの本編ラストを飾る。この曲を土台としてきんきの楽曲がぶれないように選曲してきたという自負があるからこそ、変わらず大事にできる楽曲なんだなぁと思います。まぁ一番売れた楽曲っていうのもあるけど、この2人はそういうこと関係なくデビュー曲を大事に大事に思っていることが伝わってくるから素敵。それにしてもど頭もラストも山下達郎さんの提供曲でまとめてくるなんて、きんきってそういうとこロマンのかたまりですよ。本人たち意識してなかったみたいだけど、それが逆に山下達郎さんへの素直なまでのリスペクトが伝わってくる。

そして「硝子の少年」に関しては、2人ともいまだに歌いだし緊張するというエピソードがとても好き。
マジでyouたちいまだに硝子の少年じゃん…20年歌い続けてる持ち歌の歌唱について、

(つ)いまだに緊張すんねんけど
(こ)わかるー
(つ)達郎さんみたいに「んあっめぇが」って歌いそうになる
(こ)おれ若干「んゆっびぃに」ってなってる(ニコニコ)
(つ)おれもオチサビ「んぼくっぅの」ってなったぁ(ニコニコ)

って言い合ってるけどなにそれすごいよ? そういう意味で松本隆もやはり天才…彼らがデビュー前に歌っている姿を見て「なんだ、硝子の少年じゃない」と思った瞬間に歌詞が湧いてきたというんだから…

それから、硝子の少年歌いだし直前に「We are KinKi Kids!!」って言ったあとすぐ出る銀テープを飛ばすしぐさをするこういちくんマジイケメン。あれクソほどイケメンだから見逃さないで?

アンコールとかWアンコールとかMCとか全体通しての感想とか、もろもろ残ってるけどどうしたらいいこれ?


ということで、まさかの番外編に続く。

*1:アリツアとほぼ同じセットリストなのでアリツア初日の衝撃が凄かった

*2:つよしくんが“アイドル”であるきんきとミュージシャンとしてのソロを完全に切り離したいと主張したことがきっかけ。当時その態度を批判したり悲しんだりしたファンも多かったけど当時は至極真っ当な判断だったと思う。いまではきんきでもだいぶフラットな感じになってきたから多少カラーに差がなくなってきたかなと思うけれど。

*3:つよしくんはそもそも別バンドだし、こういちくんは照明や演出にめちゃこだわる

*4:実際に見学に訪れた吉井和哉さんも「すごいいい場所に入れてもらってて、鳥肌が立った」とコメントしている。そしてイエモンメンバーに「自分の曲で鳥肌たっちゃったの!?」とすぐさま突っ込まれている。

*5:これも日経エンタの連載より。ペンライトをソロのタイミングで赤青とメンバーカラーに変えなきゃみたいになってるっぽいけど、気持ちは嬉しいけどどうでもいいし、つよしくんもそう思っていると思う、と。それよりも変えなきゃいけない、と強制されて窮屈になる人がいる方が悲しい。ただただ楽しんでほしい。他のグループは知らないけどきんきは自由です!という趣旨の発言。

*6:30歳になった年に松本隆さんに2人自ら依頼をして作詩いただいた曲。最後の大サビで互いに向き合うパフォーマンスがあり何度やっても照れて見つめ合えず、そんなにできないなら止めちゃいなよ!いややめないで!というシロモノ。